恨みの様子

あなたは今、誰かを恨んでいますか?あるいは誰かを恨んだことはありませんか?恨みの念を消したいのに消せないということはありませんか?

恨みの気持ちを持ってしまうと、繰り返しそのことばかり考えてしまって離れられなくなってしまいがちですよね。。

ここでは、恨みの感情をどうやって晴らしたらいいか考えてみたいと思います。

恨みとは

まず「恨み」とは、辞書によると「他からの仕打ちを不満に思って憤り憎む気持ち。怨恨 (えんこん) 」のことを言います(goo国語辞典)

少し細かく分けて考えると、

  • 誰かから
  • されたことに対して
  • 不満を感じて憎む

ことを指すことになります。

相手となる人がいて、その人が自分に対してした行為について、憎しみを感じるということですね。相手がいるのは当たり前ですが、自分が受けた相手の「行為」に不満と憎しみを感じるという点は確認しておきたいです。

また、この定義にはありませんが、恨みとはある程度の時間持ち続けた結果できる感情です。

次に「恨み」と恨みに似た他の感情との違いを確認しましょう。

恨み辛み

時間が経つのに伴って恨みが溜まっていくと、恨みが積もり積もった「恨み辛み(うらみつらみ)」になります。不満と憎しみが肥大した状態です。

でも恨み辛みを持っているときって、相手が憎いだけじゃなくて、自分もしんどいことがよくありますよね。罪悪感を感じてしまったり、自己嫌悪に陥ったり。

人を憎むのにはエネルギーがいる、なんてよく言いますが、恨み辛みの状態まで憎しみを大きくさせて持ち続けるのは結構しんどいことです。

そうなる前に恨みをなくしてしまいたいものです。

恨み妬み

「恨み妬み(うらみねたみ)」という表現もありますが、「恨み」が「怒り」がもとになるのに対して「妬み」は「羨望」「うらやましさ」から生まれます。少し違います。

恨みは相手から受けた仕打ちへの不満・怒りがもとでした。でも妬みは相手に何かされたから生まれるとは限りません。むしろ妬みは、行為よりも相手の存在や状態に対する感情です。例えば…

裕福な家に生まれ育ったとか。
イケメンで、かわいい彼女と付き合っているとか。
華やかな業界で働いているとか。

そーいうのは「自分がされた行為」ではありませんよね。相手の存在とか状態です。

でも、うらやましさが「どーしてあの人だけうまく行くのか」とか「あいつだけずるい」という気持ちにつながると、怒りに変わってさらに恨みになる場合もあるでしょう。

それは思い込みなんですけどね。。

恨みと怒り

「怒り」は突発的な感情ですが、それを溜めこんでしまうと「恨み」に成長してしまいます。

はじめに言いましたが、恨みは一定の時間が経つ間に作られる感情です。
「カッとなる」は瞬間的に怒ることですが、瞬間的に恨むってちょっと想像しにくいですよねw
怒りには時間の長さはあまり関係ありませんが、恨みはある程度長い時間かけて怒りが変化して生まれる感情です。

ところで相手の行為への怒りや不満が恨みの源になりますが、人はどーいう時に怒りや不満を感じるのでしょう?

「こうあるべき」とか「こうしたい」とかいう理想や期待、願望があって、それとズレる時です。

友達なんだから私が困っているとき助けるべき、とか。
私が好きになったのだから私の気持ちに応えてくれるはず、とか。
親に反対されているけれども進学したい学校がある、とか。

そーいう気持ちと現実にズレがあると、不満や怒りを感じるものですよね。その不満を抱き続けた結果が恨みになります。

なお怒りの感情そのものは否定すべきとは限りません。理想とズレがあるときに感じるのが怒りです。場合によっては、そのズレをなくして理想に近づけるモチベーションになるからです。

恨みと憎しみ

「憎しみ」は、怒りが建設的なモチベーションにならなかった場合に、怒りが変化して起こる感情です。怒りが憎しみに変わり、憎しみが恨みに転じます。なので怒りと恨みの間にある感情と言えるかもしれません。

怒りを露にすることができなかったり抑える他なかったりした時に、怒りは憎しみに変わります。怒りを受け止めてもらえなかった場合です。

人間関係で怒りが建設的になるのは、相手に働きかけて不満の原因を改善してもらう場合です。「そんなこと言われると悲しいからもうやめて!」とか。これは、それ以降も相手と関わっていくことが前提になっています。

でも憎しみは、末永く相手と関わっていこうという気持ちがありません。

相手に思い知らせてやりたいとか、相手に復讐してめちゃくちゃにしてやりたいとか。暗い、ねじれた悪意が入ってきます。
相手に関わっていこうという気持ちより、相手を責める気持ちです。そして復讐がゴール。その後は知ったこっちゃありません。

もちろん復讐までいかないことも多々ありますが。ともかく憎しみはドロドロした感情です。

でも、他人を憎んでいる自分に苦しむこともありますよね。いけないと分かっちゃいるけど止められないのが憎しみだったりもします。

あと憎しみや恨みになると、いつの間にかその感情が向く先が変わってしまっていることが多いです。
もともと自分がされた「行為」に対しての怒りがきっかけだったのに、行為ではなくそれをした相手自身、「人間」を憎んでしまっているんですね。気づかないうちに対象をすり替えてしまっているわけです。

恨みは、そんな憎しみと地続きの感情です。

恨みを晴らす

「恨みを晴らす」とは、相手にやり返したいなどの恨みを叶えてスッキリすることです。「叶える」というからには、やり返したり復讐したりします。

「恨みを晴らす」で検索すると、恨みを晴らしてくれる何でも屋や呪い代行の広告がヒットします。恨みを抱いていて、その恨みを晴らしたいという人がたくさんいる表れですね…。怖い汗

ところで、やり返したり復讐したりして本当にスッキリするのでしょうか。恨みは晴れるのでしょうか。

もちろん晴れる人もいるでしょう。でも、他人を恨みながらそんな自分に自己嫌悪してしまっている人もいますよね。もしあなたがそうならば、きっと復讐しても恨みは晴れないでしょう。

では、本当の意味で恨みを晴らすにはどーしたらいいのでしょう?

次の手順で晴らしましょう!

  1. 恨みの原因を辿る
  2. 恨みの原因と向き合う
  3. 本当の理想・願望を考える

1つずつ見ていきます。

本当の恨みの晴らし方・復讐方法は?①恨みの原因を辿る

恨みの原因を辿って、恨みをおおもとから解決しましょう。そうして、本当の意味で恨みを晴らしてスッキリしましょう。復讐しても恨みを晴らすことにはなりません。

では恨みの原因はどーやったら辿れるのでしょう?ちょっと遡って確認します。

恨みは、

誰かにされたことに対して、
不満や怒りを感じて、
それが時間をかけて憎しみに変わって生ずる感情

でした。

そして怒りを感じるのは理想や願望とズレがある時でした。

つ・ま・り…

自分がされたどんな行為が、
自分のどんな理想や願望とズレていたのか

が、恨みが生まれたそもそもの原因です。
そこをまず考えましょう。

考える時、文字にして紙に書きだすのは有効です。
自分でも気づいていなかったことに気づかされることがあります。

本当の恨みの晴らし方・復讐方法は?②恨みの原因と向き合う

恨みの原因と向き合うのは正直辛いこともあります。
触れたくないことに触れなくてはいけない場合もありますから。

どんな理想や期待、願望を持っていたのか、
それなのにどんな嫌なことをされてしまったのか、
を思い出さなくてはなりません。
意識しないようにしていたことを意識することになります。
しんどいですよね。

すぐにはできないこともあるでしょう。
急がなくてもいいと思います。
このままでいると復讐を実行してしまいそう、とかいうのでなければ。

本当の恨みの晴らし方・復讐方法は?③向き合う時・向き合えない時の注意

恨みそのものを否定しなくてもいいです。恨みを持つ自分を責める必要もありません。
むしろそんな自分を受け止めましょう。

あと、無理して相手を許そうと思わなくてもいいです。憎いのは仕方ないです。

ただ、相手を責める気持ちで自分を満たしてしまわないように気を付けます。
さっき確認しましたが、もともとは「行為」に怒っていたはずなんです。
それなのに、それをした「人間」を恨むのは無意識のうちのすり替えです。
怒りの原因になった「行為」に注意を向けましょう。
目的は原因を把握することであって、相手を責めることではないので。

「自分が恨みを持っている」ことをフラットに認識しないと、恨みを解決できません。
恨んじゃいけないと思うと、恨みを無いことにしようとして押し殺すことになりかねません。同時に、責める気持ちで一杯だと恨みの原因を探り当てることができません。

本当の恨みの晴らし方・復讐方法は?④本当の理想・願望を考える

自分がどんな理想・願望を持っていたのか、そしてどんな仕打ちを受けたのか、という理想と仕打ちのズレが分かったら、今度は理想・願望にフォーカスします。

相手からされたことはもう変えられません。
復讐しようとか相手中心に考えているのは、変えられないものをどーにかして変えようとするようなものです。
変えられるのはあなたの感じ方や価値観です。
理想や願望には、それが反映されているはず。

あなたが本当に理想とすること・願うことは何でしょうか?

あなたと同じように相手が辛い思いをすることですか?
あなたが幸せに生きることですか?

分かりますよね。憎んだり恨んだりしても苦しいのは、
あなたがまだ幸せになれていないからです。
あなたの幸せをあなたは願っているはず。

本当の理想と関係ないことは、手放しましょう。
本当の理想からあなたを遠ざける考え方は、手放しましょう。
さようなら!バイバイw

根本的な原因にアプローチして解決するのが本当の意味で恨みを晴らすこと、
自分が幸せになることが本当の復讐。そう思いましょう。

恨みが消えない

恨みを抑え込もうとしても恨みは消えません。むしろ逆効果です。恨みを意識の外に押し込めてしまうことになります。

あくまで抑え込むのではなく、抑えてきた感情に向き合って解きほぐしていくことで消えてしまうように持っていくイメージです。

恨みが消えないのは病気?

恨みが消えないからと言ってもメンタル系の病気ではありません。まだ機が熟していない、あるいはまだきっかけに出会えていないのだと思いましょう。実際そうなんで。

さっきも言いましたが、自分の潜在意識と向き合うことになるので、一人でやるのは大変だったりしますから。

自分の気持ちの準備が整うか、誰かに寄り添って教えてもらうか、どっちかでないと消せないかもしれません。

しかし恨みや憎しみが病気の原因になることがあるようです。恨みや憎しみによるストレスが病気を引き起こしてしまうのだとか。そして自分の恨みが病気の原因だと自覚すると、急に治療が効いてくる例もあるそうです

なので、恨みが消えなくても病気ではありませんが、恨みのせいで病気になってしまうことはあります。すぐには無理だったとしても、やっぱりいつかは恨みを解消した方が自分のためですね。

いじめの恨みが消えない


いじめた側は軽く感じていますが、いじめられた側はいじめの記憶をずっと引きずってしまいます。
ものすごいストレスを感じたはずです。消えないのも当然です。

いじめたやつを許す必要はないです。

でも恨みの感情で一杯なままだと、自分が幸せになれません。それはもったいない。
というか、それだといじめられ続けているのと同じようなものです。

いじめられる側にも問題があるなんてことを言う人がいますが、そんな意見はスルーしていいです。いじめた方が悪いです。

でも、いじめられた記憶に左右され続けるのはあなたにとって損です。過去にいじめられたという事実と、今幸せに生きるということは別のことです。だから、今から幸せに生きるにはどーしたらいいかを考えましょう。

許さなくてもいいし、恨んでいる自分を責めなくてもいいので。

恨み言を言えば消える?

恨み言を言っても恨みは消えません。むしろデメリットの方が多いです。

  • 聞かされ続ける人が嫌になって、嫌われてしまう
  • 繰り返して恨み言を言うことで、逆に恨みを強めてしまう

というリスクがあります

ただし恨み言ではありませんが、恨みを自分の外に出すのは効果的です。

「自分の外に出す」というのは、やっぱりここでも紙に書きだすことですw

書きだすだけでもスッキリしたり、自分が何を恨んでいるのか改めて気づいたりする効果があります。

でも書いたものを繰り返し読み返すのはやめましょう。恨みを強めてしまいます。

書きだした紙に火をつけて燃やすと、恨みまでスッキリ消えるという人もいます。火事にならないように気を付けてくださいねw

あるいは相手が死ぬのを想像して、それでも恨み続けるか自問するという方法もあります。
そこまで極限の状態を想像すると、意外に許す気になってしまうのだとか。

そのほか、潜在意識に向き合うことで少し引いて幅広い視点から恨みを捉えられるようになると、感情のドロドロが消えるという人もいます。

参考にしてみてください。

まとめ

恨みは抑えたり押し殺したりするのではなく、「恨みを感じている自分」を客観的に見つめ、何に恨みを抱いているのか紐解いていくことで晴らすことができます。

恨みの相手を許そうとか、恨みを感じている自分を責める必要はないです。

ただ恨みから離れられないとすれば、あなたにとって損です。あなたは幸せになりたいと思っているし、自分の人生をどーにかして良くしたいと思っているはず。

であればここで紹介した方法を実行して、恨みを晴らして消してしまってください。行動あるのみ、です!